ガラスも抗菌する時代に!?今注目の「抗菌ガラス」
ガラスの種類

インフルエンザや感染症などが流行りだすと、「除菌」や「抗菌」といった言葉のついた商品がよく売れるといいます。
近年の抗菌ブームもあってか、様々な抗菌加工商品を目にする機会が増えました。
実はガラスにも抗菌加工の施された「抗菌ガラス」というものが存在します。
【抗菌ガラスの種類】
ガラスを抗菌加工する手法としては、大きく2種類あります。
ひとつは金属イオンの抗菌性能を用いた方法です。
銀・銅・亜鉛などを、酸化還元剤を調整してイオン状態のままガラスに含ませるというもので、抗菌・防カビの効果を発揮します。
とりわけ銀イオンは金属イオンの中でも最も抗菌性能に優れています。
ただし、長期間の使用により紫外線や熱等によって樹脂を変色させてしまう傾向があり、さらに変色とともに銀イオンの抗菌性能も落ちてしまうという難点があります。
最近ではそのデメリットを克服した、亜鉛を主成分としたタイプの抗菌ガラスも増えています。
もうひとつは、光触媒をガラスにコーティングするという手法で、光(主に紫外光)が当たると有機物や有害物質を分解する機能を発揮するというものです。
消臭、抗菌、防汚などの効果があると言われています。
紫外光(太陽光)に反応して効果を発揮するものが一般的ですが、より感度の高いものでは室内光(蛍光灯など)でも効果を発揮します。
【抗菌ガラスの用途】
抗菌ガラスは介護施設や病院をはじめ、食品や医薬品の工場、食品ショーケース、一般住宅など、様々な場所での活用が広がっています。
特に日本板硝子社の開発した「ウイルスクリーン」というガラスは、従来の紫外光でしか効果を発揮できなかった光触媒を進化させ、可視光(蛍光灯やLED照明)でも抗菌作用を発揮できるようにしたもので、抗菌ガラスの活躍の場を拡大させています。
日本のように湿度の高い国では、雑菌が増えやすい環境ということもあり、必然的に人々の抗菌・殺菌に対する意識は他国に比べて高い傾向にあります。
それに応じる形で、抗菌加工に関する技術も年々進歩しており、ガラスの抗菌についてもその例外ではありません。
また近年はスマートフォンのガラス面に対しての抗菌需要も非常に高まっており、「抗菌ガラス」は実は密かに注目されている分野でもあるのです。