有機ガラス
ガラスの豆知識

アクリルとポリカーボネートの特徴について
ガラスと言えば一般的には「無機ガラス」のことを指します。
無機ガラスは珪砂という砂から作られたもので、私たちが日ごろ目にする窓ガラスの多くは無機ガラスでできています。
触ると少しひんやりしていて、落とすとパリンと割れてしまう、ごく一般的なイメージのガラスですね。
一方で、「有機ガラス」と呼ばれるものも存在します。簡単に言うと透明なプラスチックでできたガラスのことで、アクリルやポリカーボネートなどがこの有機ガラスに分類されます。
ちなみに「有機」というのは生物由来の物質という意味ではなく、有機化合物であるという意味です。
無機ガラスと有機ガラスはどちらも透明性に優れているため、似たような素材として思われがちですが、その性質は大きく異なり、用途によって様々に使い分けられています。
有機ガラスの歴史はまだ比較的浅いため、それまで無機ガラスが使用されていたところに、近年になって有機ガラスが使われ始めたというケースも多くあります。
例えば水族館の大型水槽には、一昔前までは主に強化ガラス(無機ガラス)が用いられていましたが、現在ではアクリル(有機ガラス)が主流となっています。
これはアクリルの方が強化ガラスよりも透明性、耐久性の高さ、そして加工のしやすさなどが優れていたためです。
最近の水族館ではアーチトンネル型など様々な形の水槽が登場しているのも、加工の容易なアクリルガラスが使われるようになったからなのです。
有機ガラスの代表は、今ご紹介した「アクリル」と「ポリカーボネート」です。軽くて割れにくく、加工がしやすい一方で、熱や薬品に弱く、変質変形しやすい特徴があります。
一般的なガラス(無機ガラス)、アクリル、ポリカーボネートは、それぞれ違った長所と短所を持ち合わせています。以下に特徴をまとめましたので、使用場所や用途に合わせてガラス素材を選択検討する際に、ぜひ参考にしてみてください。