真実を映し出す本当の「鏡」とは?
ガラスの豆知識

鏡がガラスからできていることはご存知でしょうか?鏡は私たちの生活において非常に身近な存在ではありますが、どのように作られているかは意外と知らないという方も多いかと思います。ここでは2種類の鏡の製法、そしてより一層「美しく見える鏡」についてご紹介します。
【銀引製法】
この製法は、ガラスの表面に薄く銀膜を吹き付けていくものです。一般的な鏡はこの製法で作られているものが多いです。以下のような工程で作られます。
・板ガラスをきれいに洗浄する
・ガラスの表面に銀を吹き付けて膜をつくる
・銀膜の上に銅を吹き付ける
・鏡用に作られた特別な塗料を塗り、銀膜を保護する
・乾燥させる
【真空メッキ製法】
この製法は、単に金属を吹き付けるのではなく、一度真空メッキタンクに移動させてガラスに蒸着(蒸発して付着させること)します。そのため非常に手間とコストがかかりますが、その分粒子の細かい繊細な鏡面に仕上げることができます。
・板ガラスをきれいに洗浄する
・アルミ蒸着を完全にするため、熱風と電熱で乾燥する
・真空メッキタンクの中でガラス面にアルミ膜を蒸着させる
・鏡用に作られた特別な塗料を塗り、真空蒸着膜を保護する
・乾燥させる
鏡はどれも一見同じように見えますが、製法が違うと品質も変わってくるんですね。
また、鏡の品質は使われるガラスの種類によっても変わってきます。
一般的なガラスは青みがかっているため、鏡にした時にも実際の色とは僅かに見え方が異なります。
それに対して、透明度の高い高透過ガラスを使用すれば、より忠実に対象物の色を写し出せる鏡ができます。
このような鏡は、一般的には「ブルーカットミラー」などの名称がついています。
ガラス特有の「青み」を取り除いた鏡という意味ですね。
価格も一般的なものに比べると約1.5~1.8倍ほど高価になりますが、実際に美容室や化粧品店などでも使われております。
美容室の鏡と家の鏡ではなんとなく見え方が違うという声をたまに聞きますが、もしかするとブルーカットミラーの効果かもしれませんね。
お家の鏡は毎日使うものなので、思い切ってブルーカットミラーに変えてみても良いかもしれません。