【窓ガラスで住宅の防犯性能を高める事の大切さ】

防犯対策で、まず最初に考えるのは、玄関・勝手口・掃き出し窓など、日常的に人が出入する箇所の鍵の強化だと思いますが、それだけでは万全な防犯対策をしたとは言えません。では、どの様な対策が出来るのかを見ていきましょう。

●泥棒(侵入者)の侵入手段!

侵入者は「最も簡単に侵入できる方法」を考え、手口を研究しています。侵入者の手口が分かれば、対策も出来ます。
そのためにもまず、侵入者の犯罪傾向を知りましょう。
泥棒の侵入手段について住宅別に見ると、警視庁の調査では、泥棒が住宅に侵入する際、平均2分〜5分をタイムリミットとして侵入を諦めるという統計が出ています。
住宅種別の「侵入手段」の上位3位は次のようになっています。

•戸建住宅

 ①鍵の無締り(46.4%)
 ②ガラス破り(37.7%)
 ③その他(4.3%)

•共同住宅(1~3階)

 ①鍵の無締り(44.9%)
 ②ガラス破り(32.0%)
 ③合かぎ(8.2%)

•共同住宅(4階以上)

 ①鍵の無締り(48.1%)
 ②ガラス破り(17.3%)
 ③合かぎ(13.4%)

※鍵の無締り:鍵を掛け忘れた玄関、窓等から侵入する手口
 ガラス破り:ガラスを割ったり、こじ破って侵入する手口
※合かぎは窃取、偽造等したものか否かは問わない。
※その他の侵入方法は
 その他施錠開け:ピッキング、サムターン回しで解鍵
 ドア錠破り:ドアの隙間にバールなどを差し込み、施錠部を強引にこじ開ける
 など
(警視庁 「住まいる防犯110番」より抜粋)
これらの傾向を見ると、いずれの住宅種別においても「鍵の無締まり」に次いで多いのが「ガラス破り」です。特に戸建てや共同住宅の低層階では、ガラス破りの割合が高くなっているのが分かります。
次に住宅種別の「侵入口」の上位3位を見てみましょう。

・一戸建住宅

 ①窓(57.6%)
 ②表出入口(18.2%)
 ③その他の出入口(15.8%)

・共同住宅(3階建以下)

 ①窓(53.3%)
 ②表出入口(34.8%)
 ③不明(6.9%)

・共同住宅(4階建以上)

 ①表出入口(54.1%)
 ②窓(32.9%)
 ③不明(9.7%)
(警視庁 「住まいる防犯110番」より抜粋)

やはり戸建てや共同住宅低層階では、窓(ガラス)からの侵入が多いということが分かります。

●防犯性能基準は5分!

侵入盗の攻撃に対し建物部品が「5分間」耐えることができれば、約7割の侵入盗が侵入をあきらめるということから、警察庁や、建物部品関係の民間団体を中心に構成している官民合同会議では、「5分間」耐えうることなどを当面の防犯性能の基準としています。基準をクリアしたものは、防犯性能の高い建物部品として公開されています。
ただし、どんなに強固な防犯対策を取っても、無締りでは意味がありません。日頃から施錠する習慣を身に付け、家族の安心・安全を守る為にも、ご自宅の鍵・窓ガラスの対策をしましょう。

●ガラス屋さんがオススメする防犯ガラスの種類と防犯ガラス取り付けのメリットとデメリット!

防犯ガラスの種類
泥棒の侵入を防ぐのにガラスの交換をするのはとても有効な防犯対策になります。防犯ガラスと言っても、各社から様々な防犯ガラスが販売されております。主なガラスの種類は防犯合わせガラス、防犯複層ガラスです。防犯ガラスは、ガラスとガラスの間に内蔵されている特殊な防犯膜の厚み(30mil・60mil・90mil)によって防犯ガラスの防犯性能を高める効果が期待できます。わかりやすく説明すると、ガラスが最低でも2枚以上のガラスを組み合わせないと防犯ガラスと言えません。

防犯合わせガラス
防犯合わせガラスとは、ガラスとガラスの間に特殊な防犯膜(防犯フィルムのようなもの)が内蔵されており、防犯複層ガラスとは違い、ガラスとガラスが防犯膜によってガラス同士が接着されたガラスの事を言います。防犯複層ガラスとの違いは、ガラスとガラスの間に中空層がないガラスの事です。この中空槽があるとないのとで一番の違いは遮音性能です。各社で販売している防犯ガラスによって細かい数字は違ってきますが、防犯合わせがらすより防犯複層ガラスの方が、防犯性能にプラス機能性も兼ね備えたガラスと言えます。

防犯複層ガラス
防犯複層ガラスとは、防犯合わせガラスと1枚の板ガラスとの間に中空層を作り、防犯合わせガラスよりさらに機能性能を高めた防犯ガラスと言えます。簡単に言うと、防犯合わせガラスは1つの窓に対して2枚のガラスが内蔵されておりますが、防犯複層ガラスの場合、1つの窓に対して3枚のガラスが内蔵されているガラスになります。

防犯ガラスのデメリット
・防犯ガラスは、1つの窓に2枚以上のガラスが入っている為、窓の開け閉めが重たくなります。その為、高齢の方がお住まいの場合など大きな窓にしてしまうと重量があり重たくて窓が開けることが困難な場合があります。もし新築で防犯ガラスを検討される場合は泥棒の侵入されやすい1階窓はガラスの面積が小さくなるような窓で設計した方が良いでしょう。

・防犯ガラスを導入する場合、窓の部品に負荷がかかりやすいです。重量がある為、開け閉めの際に少し強く閉めてしまった時に窓の機密性を高める部品などに強い衝撃が加わり破損してしまう事があります。特に窓の下にある「戸車」と言われる窓のローラー部分は重たいガラスを支えながら稼働する部品の為、一般的なガラスよりも負荷がかかってしまします。20年を超えて住んでいると戸車のローラー部分が摩耗して開け閉めが大変になってしまいますので、新築で防犯ガラスをご検討の方は、部品が廃盤になる前に購入をオススメしております。

1枚ガラスから防犯ガラスへの施工注意点
既存のガラスが1枚のガラスで窓に取り付けられていた場合、1枚ガラスから2枚ガラス構成の防犯ガラスに変更する事になる為、既存のサッシ窓に2枚のガラスが入り込む事が出来るサッシの幅が必要となります。その為、ガラスが入り込む幅によっては防犯ガラスで厚みのあるガラス(2枚分の厚み)に変わってしまった事で、サッシ窓が防犯ガラスに対応していなくて防犯ガラスに変更が出来ない可能性があるので注意が必要です。

簡単に分かる防犯ガラスに変更出来るか判別方法
準防火地域や防火地域に指定されていなければ防犯ガラスに変更する事は可能です。防火地域に指定されている地域の場合、防火ガラスなどガラスの厚みが分厚いガラスを入れなければならず、既存の窓サッシによっては防犯ガラスの取り替えが困難な場合があります。市役所や区役所に電話すれば簡単にお調べ頂けます。

防犯ガラスのメリット
防犯ガラスのメリットはやはりその防犯性能の高さです。防犯ガラスにする事で、ガラスとガラスの間に特殊な防犯膜があり、泥棒の侵入に時間がかかってしましいます。防犯ガラスだからと言って、完全に泥棒を防げるわけではないのですが、窓の鍵を防犯錠にすると効果抜群です。2つの対策をする事で防犯レベルを最大限引き上げる事が可能となります。

1つの窓に1枚のガラスから2枚以上のガラスへ
昭和の頃に建設された多くの建物が1枚ガラスが多いのに対して、年号が変わり平成になってから複層ガラスといった遮音性能、断熱性能、遮熱性能、断熱性能など、ガラスを組み合わせる事で機能性を高めた複層ガラスが主流になってきました。当社では、数多くの防犯ガラスの施工実績があります。防犯ガラスを検討される場合は防犯ガラス専門で施工しておりますのでご検討宜しくお願い致します。